舞台となった場所

ピーターラビットの舞台Peter Rabbit Locations

ポターは実在する場所を精密に描きました。庭の門、野菜畑、村のレーン——今も絵本そのままの風景がそこにあります。

ポターは実在する場所を描いた

ビアトリクス・ポターの絵本が他の絵本と根本的に異なる点のひとつは、その背景が架空の「のどかなイングランドの田舎」ではなく、実在する特定の場所を精密に描写したものだということです。彼女は博物学者としての訓練を受けており、植物画や動物画を描く際と同じ正確さで、農場の門、野菜畑の畝、ソーレーの小道を描きました。

この事実が分かると、湖水地方への旅はまったく違う意味を持ちます。絵本を開いて、その場所に立つ——これは「インスピレーションを受けた風景を見る」体験ではなく、「絵そのものの場所に立つ」体験です。

ヒルトップ農場の庭 — ピーターラビットの庭

『ピーターラビットのおはなし』の舞台は、ヒルトップ農場の庭です。マクレガーさんの畑として描かれているのは、農場南側の野菜畑で、現在もナショナル・トラストがポターの植栽計画に従って同じ野菜を育てています。ピーターが逃げ出す「あの門」は今もそこにあります。

また、庭の門の外から眺める景色——レーンを挟んだ向こうの牧草地とエスウェイト・ウォーター——は『ベンジャミン・バニーのおはなし』の背景に繰り返し登場します。ガイドツアーでは、ここで絵本を開いて見比べていただきます。その一致の精密さには、必ずといっていいほど驚かれます。

ヒルトップ農場の建物内部

ヒルトップの建物そのものも複数の絵本に登場します。急で狭い階段は『サミュエル・ウィスカーズのおはなし』に、台所のレンジと青白の陶器も同作に描かれています。踊り場のドールハウスは『二匹のわるいねずみのおはなし』に、寝室のパッチワークキルトは『トム・キテンのおはなし』に登場します。

これだけ多くの作品の舞台が一つの農家に集中しているのは、ポターがヒルトップを単なる住まいではなく、創作のインスピレーション源として使い続けたからです。

ニア・ソーレーの村

ヒルトップ農場を囲む小さな集落ニア・ソーレーも、複数の絵本に登場します。村の東端にある「タワー・バンク・アームズ」というパブは、『ジェマイマ・パドルダックのおはなし』に描かれた建物です(今も営業中のパブです)。村のレーンと石垣は『トム・キテンのおはなし』の背景として使われました。

エスウェイト・ウォーター

ヒルトップ農場の畑から見えるエスウェイト・ウォーターは、『ジェレミー・フィッシャーのおはなし』の舞台です。葦が茂る岸辺、スイレンの葉、静かな水面——これらはすべて絵本にそのまま描かれています。浅い低地の湖に朝の光が差し込む風景は、特に早朝に訪れると絵本の世界と重なります。

ホークスヘッドとその周辺

ニア・ソーレーから約2.5kmのホークスヘッドは、ポターが最も頻繁に訪れた村です。白壁の中世建築が立ち並ぶこの村の街並みは、複数の絵本の背景として使われています。ウィリアム・ヒーリスの法律事務所があった建物(現在は別用途で使用中)も現存しています。

ガイドと巡る絵本の舞台

各舞台を絵本と見比べながら巡るには、地元のガイドとともに訪れるのが最善です。弊社のガイドツアーでは、ガイドが主要な絵本のイラストのコピーを携帯しており、各場所でその絵が描かれた構図から実際の風景を見ていただきます。自分で絵本を持参していただくのも歓迎です。事前にピーターラビットベンジャミン・バニートム・キテンジェマイマ・パドルダックを読み直しておくと、体験がさらに豊かになります。